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30代のピロリ菌検査は胃カメラで|陰性なら安心、陽性でも除菌で対処できる

30代のピロリ菌検査は胃カメラで|陰性なら安心、陽性でも除菌で対処できる | 胃がん

「人間ドックの採血でピロリ菌を指摘された」「家族や知人が胃がんになった」。

そういったきっかけで胃カメラの受診が頭をよぎりつつも、「でも、特に症状はないし、まだ大丈夫だろう」と先送りにしていませんか。

結論からお伝えすると、その考えは危険です。ピロリ菌は感染しても自覚症状がほとんどなく、胃カメラなどの検査を受けなければ感染の有無はわからないからです。

感染期間が長くなるほど胃粘膜が傷つき続けるため、30代の今のうちに確認しておくと、将来の胃がんリスクを抑えやすくなります。

消化器内視鏡専門医・青木洋一郎が、30代がピロリ菌を確認すべき理由と、胃カメラでわかること・費用・当日の流れをまとめました。

この記事でわかること
  • ピロリ菌感染と胃がんリスクの因果関係
  • 幼少期の生活環境がピロリ菌感染リスクを左右する理由
  • 胃カメラで陰性・陽性がわかった場合の対応
  • 保険3割負担で受ける胃カメラの費用目安
  • 鎮静剤を使った胃カメラの当日の流れ
この記事を書いた人
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青木内科・眼科 青木 洋一郎

総合内科専門医/日本消化器病学会専門医/日本内視鏡学会専門医。日本人の2人に1人が「がんになる」と言われる時代に、早期発見の重要性を知ってもらいたいという思いから「痛くない内視鏡検査」を確立。

症状がなくても感染は進む:30代がピロリ菌を確認すべき理由

手術着とマスクを着用した医師が、内視鏡を手に持ち、モニターを真剣な表情で見上げながら検査を行っている。精密な医療技術と専門性の高さを感じさせる手術室での一場面。

「まだ若いし、症状もないから大丈夫」と先送りにしてしまいたくなるお気持ちはよくわかります。

しかし、感染していたとすれば、30代のうちに気づけるかどうかで、胃粘膜の傷み方が大きく変わります。

ピロリ菌は症状がないまま胃を壊し続ける

「胃が痛い」「食欲がない」といった症状がなければ、なかなか胃カメラでの検査に踏み切れないのが正直なところではないでしょうか。

ピロリ菌は、強い酸性の胃の中でも生き延びる特殊な細菌です。症状が出ないまま胃に居座り続け、その間も胃粘膜を傷つけ続けます。感染が長引くほど胃粘膜は慢性的な炎症を繰り返し、徐々に薄く・もろくなっていき(萎縮性胃炎)、胃がんが発生するリスクも高まります。

国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)によれば、ピロリ菌感染陽性者の胃がんリスクは、陰性者の5.1倍。この研究では、胃がんと診断された人の94%がピロリ菌感染陽性者でした。

出典:ヘリコバクター・ピロリ菌感染と胃がん罹患との関係|国立がん研究センター

「胃がんは体質や食べ物のせい」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、現代医学では胃がんのほとんどをピロリ菌由来の「感染症」と位置づけています。感染さえわかれば除菌でリスクを下げられる。つまりピロリ菌による胃がんは、原因がわかれば予防できる病気なのです。

感染期間が長いほど胃がんリスクは高まる

ピロリ菌に感染するのは、ほとんどが5歳以下の乳幼児期です。感染した時期が早いほど、胃粘膜が傷つき続ける期間も長くなります。仮に5歳以下で感染したとすれば、30代の今、すでに25〜30年間、ピロリ菌が胃に住み続けていることになります。

除菌前の胃粘膜の萎縮が浅いほど予防効果が高く、30代は比較的早い段階で除菌できる世代です。今動けば「感染30年」で止められますが、放置すれば感染期間は40年・50年と延びていき、除菌後の胃がん予防効果にも差が出てきます。

ただ、日本の市区町村が行う胃がん検診は、原則40歳以上が対象です。企業の健康診断にピロリ菌検査が含まれることもほとんどありません。つまり30代は、自分から動かない限り、誰も「ピロリ菌を確認してください」とは言ってくれない世代なんです。

ピロリ菌感染の有無は、子どもの頃の生活環境で決まっている

10〜20代のピロリ菌感染率は10%前後、30代でも20%以下と言われますが、一方で50代では40〜50%、60代以上になると50〜80%にのぼります。

この数字だけ見ると「30代は感染率が低いから安心」に見えるかもしれません。しかし、実はそうとは言えません。年齢ではなく、世代によって感染した時期が違うだけです。

現在50〜60代の方は、上下水道の普及が今ほど進んでいなかった1960〜70年代に幼少期を過ごし、親からピロリ菌に感染した人が多い世代です。

そして、今30代の方の親世代は、まさにこの50〜60代にあたります。わが子を育てる中で、離乳食を口で噛んで与える口移しや、箸・コップの共用をするのは、当時ごく普通の育児でした。「やっていた」という意識すら残っていない親がほとんどで、「うちにはそういう記憶がない」という方も、気づかずにしていた可能性は十分あります。

子どもの頃の感染リスクとして、当てはまりやすい例は次のようなものです。

  • 親や祖父母と同じ箸・コップを使ったり、回し飲みをした経験がある
  • 家族にピロリ菌陽性・胃がん患者がいる
  • 幼少期に兄弟姉妹が多く、狭い環境で育った
  • 50代以上の親世代に育てられた
  • 幼少期に衛生環境が整っていない海外で生活したことがある

1つでも当てはまるものがあれば、感染している可能性はゼロではありません。誰のせいでも不注意でもなく、育った時代と環境の話です。

心当たりがあるかどうかに関わらず、まずは自分がピロリ菌に感染しているかどうかを確認してみましょう。

胃カメラならピロリ菌の有無と胃の状態を一緒に確認できる

胃カメラでは、「陽性か陰性か」だけでなく、今の胃の状態や粘膜の萎縮の進み具合まで直接確認できます。

当クリニックでは、「胃カメラで一番大事なのは仕分けだ」と考えています。

「感染なし、問題なし」なのか、「感染あり、定期的に見る必要がある」のか。この仕分けができれば、感染がなければ安心して過ごせますし、感染があれば早めに除菌へ進められます。

ピロリ菌がいなければ胃がんリスクは0.01%

青木理事長はよく、「ピロリ菌がいない人が胃がんになる確率は年間0.01%程度で、岐阜市でもその該当者は年間10人程度です」とお伝えしています。胃カメラで「ピロリ菌がいない」と確認できれば、「自分も胃がんになるかもしれない」という漠然とした不安から解放されます。

実際に、ピロリ菌未感染者を長期間追跡した研究でも、未感染者から胃がんが発生することはほぼないと確認されています。

参考:Helicobacter pyloriと胃がん|栄研化学

「怖くて調べる」ではなく、「安心を確認しに行く」という気持ちで受けていただきたいと考えています。なお、採血(血清抗体検査)でもピロリ菌を調べられますが、胃粘膜の萎縮が進んでいると、血液検査で「陰性」と誤判定されることがあります。胃カメラなら、粘膜の状態を直接確認しながら組織を採取できるため、より精度の高い検査ができます。

ピロリ菌が見つかっても除菌治療で対策できる

ピロリ菌が見つかった場合はどうなるのでしょうか。「陽性」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、治療はいたってシンプルです。除菌治療は、朝晩の薬を7日間飲むだけです。

使う薬は3種類(胃酸を抑える薬1種+抗菌剤2種)で、食後に服用するだけです。一次除菌の成功率は、現在よく使われるボノプラザン(タケキャブ)で約90%以上。万一一次除菌が不完全な場合でも、二次除菌が保険診療で受けられます。二次除菌まで合わせた成功率は95%以上です。

除菌が成功すれば、その後は感染のない状態で過ごせます。あとは定期的な胃カメラで胃粘膜の状態を確認していれば安心です。陽性だとわかれば、それだけ早く除菌治療を始められます。

胃カメラは保険適用と鎮静剤で、費用と痛みの負担を抑えられる

「費用が高そう」「苦しそう」という2つのイメージが、受診をためらわせていませんか。

実は、症状など条件を満たせば保険が適用され、鎮静剤を使えば眠っている間に検査を終えることができるのです。

保険3割負担なら5,000〜10,000円ほど

胃の痛みや不快感などの症状がある場合、または健診・人間ドックで異常を指摘された場合、胃カメラは健康保険が適用されます。3割負担の場合、自己負担の目安は約5,000〜10,000円程度です。(組織検査やピロリ菌検査の有無によって費用が違います)

自費(症状がない方の検診目的)の場合、全額自己負担となるため、組織・ピロリ菌検査なしで15,000〜20,000円程度が目安となります。なお、鎮静剤(静脈麻酔)の追加費用は当クリニックではおよそ450円です。患者さんの負担をできる限り少なくするため、鎮静剤を使った検査を行っています。

費用よりも大切なのは「受けたときに何がわかるか」です。保険適用の検査一回で、今後の胃がんの心配を減らせる可能性があります。

鎮静剤を使うと、眠っている間に検査が終わる

「胃カメラは苦しい」というイメージは、鎮静剤が一般的でなかった時代のものです。当クリニックでは、静脈麻酔(鎮静剤)を使った無痛内視鏡検査が標準です。注射後、数十秒でうとうとした状態になり、気がついたときには検査が終わっています。目が覚めたらリカバリースペースで少し休んで、そのまま帰宅できます。

鼻から入れる経鼻内視鏡は、麻酔が使えない場合(当日に車を運転する場合など)に向いています。ただし花粉症の季節(春)は鼻腔が腫れやすく、スコープが通りにくいことがあるため、春に受診される場合は経口内視鏡をおすすめする場合もあります。

バリウム(X線)検査と比べると、胃カメラは粘膜の微細な変化を直接確認できるため、精度が高くなります。実際に、バリウムで一度「要精密検査」と言われた人は、その後も毎年同じ結果になることが多く、不安を抱え続けてしまいます。一度胃カメラで「仕分け」ができれば、毎年の漠然とした不安から解放されます。

当クリニックの「痛くない・苦しくない」胃カメラについて

手術着とマスクを着用した医師が、内視鏡を手に持ち、真剣な眼差しで前方のモニターを見つめている。周囲の医療スタッフと共に、チーム医療で高度な検査に臨む緊張感と専門性が伝わる手術室の光景。

ここまで読んで、「一度、自分の胃の状態を確認しておきたい」と感じ始めた方へ。岐阜市の青木内科・眼科では、消化器内視鏡専門医が、痛みを抑えながら丁寧に胃の状態を確認します。クリニックは岐阜市に根ざした内科として40年以上の歴史を持ち、累計の内視鏡件数は12,000件を超えています。

検査には、富士フイルム製の最新内視鏡「ELUXEO 8000」を使用。ハイビジョン画質に加え、医師の目とAIが同時にチェックする「見逃し防止AI」を搭載しており、数mmサイズの小さな病変も見逃しにくい環境を整えています。経口・経鼻の両方に対応しており、ご希望の方には鎮静剤を使用した無痛内視鏡も行っていますので、ご安心ください。

検査結果は、その日のうちにその場でお伝えします。次にいつ確認すればいいかも、その場でご説明します。

費用・当日の流れ・予約方法を先に確認したい方は、下記の胃カメラ検査ページをご覧ください。

大腸カメラや内視鏡検査全般についても確認したい方は、下記をご覧ください。

まとめ:30代のうちに一度、ピロリ菌の有無を確認しておきましょう

ピロリ菌に感染するかどうかは幼少期に決まり、感染していれば症状もなく進みます。30代の今は感染から25〜30年が経過している可能性があり、除菌の効果がまだ大きいタイミングです。

この記事のポイント

  • 胃がんと診断された人の94%はピロリ菌感染陽性者です。
  • 感染の有無は症状ではなく、幼少期の生活環境によって決まります。
  • 陰性なら胃がんリスクは0.01%程度まで下がります。
  • 陽性でも除菌治療(7日間の服薬)で90%以上、二次除菌まで含めると95%以上が成功します。
  • 保険3割負担なら費用5,000〜10,000円程度で受けられます(組織検査・ピロリ菌検査の有無による)。

「自分はピロリ菌がいるのかいないのか」は、今の体調ではわかりません。感染したとすれば幼少期の話で、その後ずっと症状なく続いてきた可能性があります。それを確認できるのが、胃カメラです。

ここまで読んで「一度確認しておこうか」と感じた方は、その気持ちのまま動いてみてください。迷い続けるより、一度確認できた方が、その後の胃がんリスクや検査間隔を考えやすくなります。

岐阜市の青木内科・眼科では、40年以上の地域医療と12,000件超の内視鏡実績を持つ専門医が、鎮静剤を使った無痛内視鏡でピロリ菌の有無と胃の状態を確認します。受けるかどうか迷っている方も、まずはお気軽にご相談ください。