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ストレスが大腸がんの原因になるってホント?1万件超の検査実績を持つ専門医が解説

ストレスが大腸がんの原因になるってホント?1万件超の検査実績を持つ専門医が解説 | 大腸がん

なにかとストレスを抱えやすい現代で「便秘と下痢を繰り返す」「どうも腹痛が治らない」などなどストレス由来の体調不良に不安を感じていませんか?

ストレスが大腸がんの原因になるという通説もありますが、実は“ストレスそのものが大腸がんを直接引き起こす”というデータはありません。

しかしストレスは生活習慣を乱し、結果として大腸がんのリスクを高める可能性は大いに考えられます。

この記事では、12,000件以上の大腸内視鏡検査を行ってきた消化器内視鏡専門医として、ストレスと大腸がんの関係を医学的根拠に基づいて解説します。

この記事を読めば、こんな悩みが解決します!

  • ストレスが大腸がんの原因になるのか
  • 「ストレスだから大丈夫」と自己判断する危険性
  • 検査を受けるべき危険な症状のチェックリスト
  • 当院の「痛くない・苦しくない」大腸内視鏡検査について
  • 大腸がん検査の費用
この記事を書いた人
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青木内科・眼科 青木 洋一郎

総合内科専門医/日本消化器病学会専門医/日本内視鏡学会専門医。日本人の2人に1人が「がんになる」と言われる時代に、早期発見の重要性を知ってもらいたいという思いから「痛くない内視鏡検査」を確立。

【結論】ストレスは“間接的に”リスクを高める

結論からお伝えすると、ストレスそのものが大腸がんを引き起こす「直接的な原因」ではありません。

ただし「間接的にリスクを高める」可能性があります。

じゃあ本当の「大腸がん因子」は何?

大腸がんの主要な原因として挙げられるのは、食生活(高脂肪・加工肉の多い食事)、肥満、飲酒・喫煙、遺伝的要因などで、ストレスは腫瘍を発生させる因子とは考えられていません。

しかしながら、過度なストレスがかかることで暴飲暴食に走ったり、運動する気力が湧かなくなったり、睡眠の質が低下したりと、生活習慣は大きく乱れることは往々にしてあることです。

つまり「ストレス=がん発症のトリガー」ではないものの、ストレス過多の生活は不安定になりやすく、結果的に大腸がんの間接的な危険因子として位置付けられます。

ストレスがリスクを高める3つのメカニズム

繰り返しにはなりますが、ストレスそのものが大腸の細胞をがん化させるわけではありません。ストレスが生活習慣に影響を与え、その結果として大腸がんのリスクが高まります。

ここでは「ストレス過多な状態が結果的に大腸がんを発症させた」と考えられる3つの主要なメカニズムを解説します。

1.ストレスで「食生活が乱れてしまう」ケース

ストレスが強い環境にいると「手軽なジャンクフードや甘いものに手が伸びる」、「つい暴飲暴食に走ってしまう」という方は多いのではないでしょうか。

しかし、こうした食物繊維が不足しやすく脂肪分が過剰になりがちな食習慣は、大腸がんのリスクを高めることが分かっています。

ストレス→食生活の乱れ→大腸がんリスクが高まる、という負の連鎖が生まれてしまうのです。

2.ストレスで「運動意欲が減退してしまう」ケース

生活のストレスで疲弊すると、拘束時間外でも運動する気力が湧かず、身体活動量が減る傾向があります。

運動不足は腸の蠕動運動の低下(=慢性的な便秘)の原因となりますし、これに食生活の乱れが重なった場合には肥満の原因にもなりかねません。

始まりはストレスだったとしても運動不足+便秘+食生活の乱れ+肥満…と、大腸がんを発症するリスクが極めて高い状態になるわけなのです。

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3.ストレスで「睡眠不足に陥る」ケース

また、ストレス状態が続くと交感神経が高ぶって睡眠障害が起こりやすくなる傾向があります。

不眠や浅い眠りが続くと、体内でがん細胞を排除するナチュラルキラー細胞など免疫機能が低下してしまい、本来であれば排除できる異常細胞が見逃されてしまう(=発がん)リスクが高まってしまうのです。

ストレス→睡眠不足→免疫力低下→大腸がんリスク増、という流れが考えられます。

「胃腸の乱れ=ストレスだから」と割り切るのはキケン!

「ストレスが直接的に大腸がんリスクを高めることはない」とお伝えしましたが、腹痛や不安定な便通などの目に見える症状がある場合に、「ストレスだから大丈夫」と自己判断するのは危険です。

このセクションでは、検査を受けるべき危険な症状のチェックリストと、早期発見の重要性を解説します。

こんな症状があれば今すぐ検査を受けましょう

以下に当てはまる場合は、大腸に癌をはじめとした何らかの問題が起きている可能性が高いです。

  • 血便が出る・便に血が混ざる
  • 便が細くなった(正常時より便の直径が細い、コロコロした小さい便が増えた)
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 原因不明の体重減少(1ヶ月で3〜4kg以上の減少)
  • 持続する腹痛や腹部膨満感
  • 残便感がある
  • 40歳以上で、最近になって便通異常が気になるようになった
  • 家族に大腸がんの患者がいる

【院長コラム】“似た症状”だとの自己判断で、取り返しがつかなくなることも…

大腸がんの予兆があるにもかかわらず、そのサインを見逃してしまいやすいのが『ストレスが原因による似た症状』によるもの。

  • ストレスで一時的に下痢が続いてるだけだから…
  • 血便があったけど、どうせ痔だから…

と放置した結果、病気の発見が遅れるケースを臨床の場で数多く見てきました。特に大腸がんの発症リスクが急増する40歳以上の方で症状がある場合には、たとえ軽度でも一度大腸カメラ検査を受けることを強く推奨します。

なお、家族に大腸がんになった人がいる場合は遺伝的リスクも考えられるので、症状の有無に関わらず40歳前後から定期検査を検討すべきです。

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大腸がんは『完治可能な病気』です

大前提、大腸がんは「予防が可能ながん」です。

大腸がんは多くの場合、ポリープ(腺腫)という良性腫瘍の段階を経て生じるため、がんになる前段階のポリープのうちに発見・切除してしまえば未然に防げるものなのです。

ポリープの段階で発見して切除できればそもそもがん化を防げますし、仮にがん化していても粘膜内に留まる早期の段階なら内視鏡で切除して根治を目指せます。

ただし、大腸がんは初期症状が乏しいため「症状が出てからでは遅い」病気でもあります。

症状がすでに出ている方は早急に検査を受けることはもちろんのこと、症状がない方であっても発がんリスクが高いと分かったら一度は受診することが大切です。

【院長コラム】ストレス症状なら「過敏性腸症候群(IBS)」の可能性も

ここまで大腸がんへの警告をしてきましたが、お腹の不調がある全ての人が大腸がんというわけではありません。

ストレスによる腹痛や下痢の場合は過敏性腸症候群(IBS)の可能性もあります。これは器質的疾患ではないため、検査しても炎症や腫瘍が見つかりません。

IBSの典型的な特徴は以下の通りです。

  • ストレスや緊張で腸の運動が乱れる
  • 腹痛は排便すると和らぐ傾向が強い
  • 血便などは伴わない(血が混じる場合は潰瘍性大腸炎やポリープなど他の病気を疑います)

ただし専門医でも、検査なしにIBSと断定することはできません。「IBSと思ったら大腸がんが隠れていた」というケースもあり得ます。

いずれにせよ症状が続く場合は自己判断せず、一度大腸内視鏡検査で腸の中を直接確認しておくことを推奨します。

当院の「痛くない・苦しくない」大腸カメラとは?

とはいえ「内視鏡検査=痛い・苦しい」というイメージや経験から、受診をためらっている方も多いのではないでしょうか。

当院では、皆さまに安心して検査を受けていただくため、さまざまな工夫を行っています。

検査を楽に受けられる3つの工夫

当院では患者様の負担を最小限にするため、以下の3つの工夫を取り入れています。

麻酔で眠っている間に検査終了

希望される患者様には静脈麻酔(鎮静剤)を使用し、うとうとした状態で検査を受けていただけます。内視鏡が腸を通過する感覚や痛みはありません。

麻酔科医が必要なほど強い全身麻酔ではなく、患者さん自身の呼吸は保たれる軽い睡眠状態で、鎮静中も酸素モニターでバイタルを監視し、安全に配慮しています。

検査後はリカバリースペースでしばらく休んでいただき、麻酔が醒めれば当日中に帰宅可能です(運転は不可)。

実際に当院で大腸カメラを受けていただいた患者さんからも「以前別の施設で受けた時よりも何倍も楽だった」「苦痛ゼロで受けられた」との声をいただいています。

「軸保持短縮法+水浸法」でお腹の張りを軽減

大腸カメラでよくあるお腹の張り感や痛みは、内視鏡によって腸管が伸ばされた時に感じるものです。

そこで当院では自然なままの腸管の状態で、無理に伸ばすことなく内視鏡を挿入する「軸保持短縮法(じくほじたんしゅくほう)」を採用しています。腸管に無理な力を加えないため、内視鏡挿入時の痛みを大幅に減らすことができます。

加えて当院では大腸内視鏡検査で空気の代わりに少量の水を注入して、腸管をふくらませずに内視鏡スコープを挿入する「水浸法(すいしんほう)」という検査法を行っています。

水を使うことでスコープの滑りが良くなるのはもちろん、腸管を無理に伸ばしたりひねったりする必要がなくなるため、検査時の痛みや検査後の腹部膨満感を大幅に軽減できるのです。

当院では高度な技術と最新の設備により、腸管に負担のかけない「軸保持短縮法+水浸法」を組み合わせ、内視鏡検査の負担を大幅に軽減することが可能となりました。

検査前の準備はご自宅でリラックスしながら

大腸カメラでもっとも大変なのが、下剤を飲んで腸の中をきれいにすることですが、当院ではこの準備をご自宅で行っていただくことができます。

事前の診察で下剤の飲み方や食事の注意点などを詳しくご説明し、専用のキットをお渡しします。リラックスできるご自宅で準備をしてからご来院いただけるため、精神的な負担も少ないと好評です。

もちろん、院内にもプライバシーに配慮した専用個室をご用意しており、ご希望に合わせてお選びいただけます。

検査結果を「覚えて帰る」ための工夫

当クリニックでは麻酔検査はもちろん、検査後の「麻酔拮抗薬」も“当クリニック負担”で行っています。

「麻酔あり」で大腸カメラを実施した場合、リカバリー室で休憩後に検査後の説明を行いますが「逆行性健忘(検査前の記憶を思い出せなくなること)」が生じることがあります。

一見すると意識は覚醒しており、会話もしっかりできる状態ですが、あとで「医師からの説明を十分に思い出せない・覚えていない」状態になります。これは麻酔薬の効果が残っている場合に起こります。

しっかりと検査を受け、その結果までしっかり理解して今後の暮らしに役立て頂きたい。それこそが我々医師の務めだと思い、覚醒が早い麻酔薬の使用や、覚醒するまで安心して過ごせるリカバリー室の完備など様々な工夫をしています。

ポリープが見つかったらその場で日帰り切除

検査の際に切除可能なポリープが見つかった場合は、その場で切除(日帰り手術)が可能です。

改めて入院する必要がなく、一度の検査で治療まで完了できるため、患者様の身体的・時間的な負担を大きく軽減できます。

【院長コラム】“がん化リスクのあるポリープ”を見極めることが大切

大腸カメラで大切なことは、癌化の危険性がある腫瘍性ポリープだけを確実に発見し切除することです。癌化することのないポリープ(非腫瘍性ポリープ)を治療する意義はありません。

大腸カメラは「ポリープを切除したか」で大きく費用が変わります。つまり「ポリープ切除を行ったか」によって患者様のご負担が大きく変わるということです。無駄な治療を行わないことは患者様の経済的なご負担を減らし、医療費を削減することで世界に誇る国民皆保険制度の持続可能性に寄与すると考えています。

腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープを正確に鑑別し、確実に腫瘍性ポリープのみを切除することは、内視鏡医に求められる必須の技術です。そして、検査あたりの腫瘍性ポリープ発見率(ADR;腺腫発見率)は、内視鏡医が実施する大腸カメラの精度を測る重要な指標とされています。

当クリニックでは「ADR(腺腫発見率)47%」の診察実績を踏まえて、患者様の負担を極限まで減らす大腸カメラ(内視鏡検査)を実施しています。

「もし悪いものがあっても、その日に取ってもらえる」という安心感を持って検査を受けていただければと思っています。

米国における2024年推奨値「ADR(腺腫発見率)」:35%

大腸カメラの検査費用はいくら?

症状がある場合や、検診の結果で陽性となった場合の精密検査には、健康保険が適用されます。3割負担の場合の費用目安は以下の通りです。

  • 観察のみの場合:5,000円〜7,000円前後
  • ポリープを切除した場合:20,000円〜30,000円前後(ポリープの大きさや数によります)

鎮静剤の使用などによる追加費用はいただいておりません。また、ポリープ切除は手術に該当するため、ご加入の医療保険から給付金が受け取れる場合があります。

上記はあくまで目安です。詳細はお気軽にお問い合わせください。

ストレスと上手に付き合いながら、定期検診で大腸がんを予防しましょう

ここまでお読みいただき、ストレスと大腸がんの関係について、正しく理解していただけたのではないでしょうか。

この記事のポイント

  • ストレスそのものは大腸がんの直接的な原因ではないが、生活習慣の乱れを通じて間接的にリスクを高める
  • 「ストレスだから大丈夫」と自己判断することは危険で、血便や便通異常などの症状があれば必ず検査を受けるべき
  • 大腸がんは早期発見すれば5年生存率90%以上と完治の可能性が高い病気
  • 当院では麻酔使用・高度な技術・最新設備により、痛くない・苦しくない大腸カメラを提供
  • 40歳以上の方は、症状がなくても2-3年に1回の定期検査が推奨される

ストレスは現代社会にはつきものですが、だからこそ「ストレスだから大丈夫」と自己判断せず、定期的な検査で大腸の状態を確認することが大切です。

当院では「痛くて苦しい」というイメージを払拭し、安心して検査を受けていただける環境を整えています。

どんな軽微な内容でも構いません。ぜひお気軽にご相談ください。