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ピロリ菌

こんな症状はありませんか?

  • 幼少期に上下水道が用意されていない環境下で過ごしていた
  • 萎縮性胃炎と診断されたことがある
  • 過去にピロリ菌を除菌したことがある
  • 自覚症状がないまま感染している
  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍の経験がある
  • 慢性胃炎と診断されたことがある

ピロリ菌について

ピロリ菌は人の胃に住む特殊な細菌です。日本人の感染者数は約3,000万人以上いると推測されています。
感染しても症状はほぼありませんが、気付かないうちに胃が老化し、胃潰瘍やがんができやすくなります。

ピロリ菌の原因

感染経路

ピロリ菌は口から入って感染します。
感染するのは主に幼少期(学童期)で、大人になってからの感染はほとんどありません。
世代間で感染率が大きく異なり、団塊の世代までの感染率は60%以上と非常に高くなっています。これには上下水道の普及率など環境衛生が関連していると言われています。

ピロリ菌が引き起こす胃の老化現象(萎縮性胃炎)

ピロリ菌が感染すると、胃に炎症が起き、進行すると粘膜に萎縮と言われる老化現象が起きます。
「萎縮性胃炎」とは老化現象が起きた胃のことを指し、がんや潰瘍などさまざまな病気の発生母地となります。

ピロリ菌が
感染していない胃

ピロリ菌が
感染している胃

萎縮性胃炎の進展と病気のリスク

萎縮性胃炎は年齢とともに徐々に進行し、進行の程度により発症しやすい病気も変わります。

スクロールできます

ピロリ菌なし ピロリ菌がいる萎縮性胃炎
胃炎の進展
老化 なし 軽度 中等度 高度
病気のリスク ほとんど無し
(老化しない)
十二指腸潰瘍
低位胃潰瘍
胃潰瘍
スキルス胃がん
高位胃潰瘍
胃がん

検査・診断方法

ピロリ菌の検査には、内視鏡を使う方法と、内視鏡を使用しない方法があります。

内視鏡を使う方法

  • 迅速ウレアーゼ法

    ピロリ菌の感染を調べるには、内視鏡検査が有効です。迅速ウレアーゼ法は、ピロリ菌が持つ酵素の働きで生成されるアンモニアを検出する方法です。

  • 鏡検法

    採取した組織を染色し、顕微鏡で観察する方法が鏡検法です。この方法では、ピロリ菌の形態を直接確認することが可能です。

  • 組織培養法

    組織培養法は、内視鏡で採取した組織を用いてピロリ菌を培養する方法です。ピロリ菌が増殖するかどうかを観察することで、感染の有無を判断します。

内視鏡を使用しない方法

  • 抗体法(採血/尿)

    血液や尿に含まれるピロリ菌に対する抗体の有無を調べることで、感染の有無を確認する検査です。内視鏡検査に比べて侵襲性が低いのが利点ですが、現在の感染状況を反映しない場合があります。

  • 便中抗原法

    便中のピロリ菌抗原を検出する方法が、便中抗原法です。検査の感度と特異度が高く、スクリーニング検査として有用です。

  • 尿素呼気試験(呼気)

    ピロリ菌が持つ酵素の働きにより、感染者は呼気中の二酸化炭素量が増加します。
    そのため尿素呼気試験により、吐いた息の中の二酸化炭素量を測定することで、ピロリ菌感染の有無を判定できます。

当院の治療方法

除菌治療と定期的な内視鏡検査を受けましょう

ピロリ菌の治療はペニシリン系・マクロライド系の抗生剤と胃薬を一緒に1週間服用するだけです。1回の治療で、80%以上の確率でピロリ菌を除菌できます。もし失敗しても、抗生剤の種類を変えて再度治療でき、2回䛾治療で95%以上の確率でピロリ菌を除菌することが可能です。

除菌で萎縮性胃炎䛾進行は止められますが、がんの発生を完全に止めることはできません。除菌治療に成功しても、必ず定期的な内視鏡検査を受けましょう。

医師からのメッセージ

ピロリ菌による萎縮性胃炎は胃がんの発生母地になります。ピロリ菌に感染していた場合は、症状が無くても必ず内視鏡検査を受けましょう。もし、胃がんが発症しても定期的に内視鏡検査を受け、早期にがんを発見すれば根治できます。がんと診断されても早期であれば、開腹手術せずに内視鏡で切除ができるため早期発見・早期治療が重要です。

また、ピロリ菌の除菌治療をされても胃がんのリスクは残ります。ピロリ菌を除菌された方は病気の早期発見のために、年に1回は胃カメラ検査を受診しましょう。

あなたの相談窓口は「胃痛外来」です
胃痛外来